スノーボードのメンテナンスに欠かせないホットワックスですが、スノーボードを始めたばかりの初心者や、スノーボードはやっていたけどホットワックスをこれまで自分でやってこなかった人にとってはワックスのかけ方や色の違いがわからなくて困っている方も多いのではないでしょうか。
このページでは一番メジャーであるガリウムワックスの色の違いと使い分けについてご説明いたします。
目次
スノーボードのホットワックスは「塗る」のではなく「染み込ませる」
まずホットワックス初心者が勘違いしてしまいやすいのがスノーボードのホットワックスは塗るのではなく染み込ませるものであるということ。
市販されているスノーボードワックスの中にはスノーボードの滑走面であるソールに塗るだけのものも販売されていますが、ホットワックスに関しては滑走面であるソールに染み込ませるものです。
スノーボーダーやスキーヤーの会話の中で「ワックスを塗る」という言葉が出てくることがありますが、本人たち同士ではおそらくちゃんと分かった上で伝わっています。しかしその会話をスノーボード聞いたワックス初心者は塗ると勘違いしてしまうことも起こりえます。
私はホットワックスをする場合は「ワックスを塗る」という言葉は使わずに「ワックスをかける」というようにしています。
スノーボードインストラクターとしてレッスンに参加してくださるお客様に勘違いを与えてしまわないように普段から気を付けるようにしています。
ホットワックスは染み込ませるものだということを覚えておいてください。
ホットワックスに必要なアイロン
スノーボードにホットワックスをかける時に必要となってくるのはスノーボード用のアイロンです。
スノーボードやスキーの専用の物が販売されているので専用の物を使うようにしてください。
安くはないものですがスポーツ用品店やネットで1万円前後から購入することが出来ます。
ホットワックスをかける際に必要な温度はだいたい100度前後です。
値段が安く、コンパクトなアイロンは温度が安定しなかったり(サイズが小さいとサーモスタットが働きすぐに温度が下がってしまうことが多い気がする)、耐久性もあまりよくなく、壊れてしまうとすぐに次のアイロンを購入しないといけなくなってしまいます。
個人的には大きなサイズのものの方が重さを利用してしっかりとワックスを染み込ませることが出来るのでおすすめです。
衣類用のアイロンを代用できないかと考える人もいると思いますが、衣類用のアイロンはやはり衣類のための形をしているので使ったことはありませんがおすすめできません。ホットワックスをかけるとアイロン側にもワックスが残るので1度でも使ってしまうとおそらく衣類には使えなくなってしまうので注意しましょう。
ワックスをかける際にビンディングは外す
スノーボードの板を大切にしたいならホットワックスをかける際にビンディングは外しましょう。
アイロンの熱が滑走面であるソール越しにねじ穴に伝わってしまいねじのゆるみだったり、最悪の場合ねじ穴付近のソールの変形に繋がってしまいます。
スノーボードの板を買ったばかりの最初の頃は私も板を大切にしていたので毎回ちゃんとビンディングをスノーボードの板から外していました。しかしだんだん横着してビンディングを外さないでそのままワックスをかけてういると見事にねじ穴のある部分のソールがへこんでしまっていました。
最初はけっこうショックでしたが意外と滑りには影響が出ないので慣れましたがスノーボードの板にとって良くないことは間違いありません。
ホットワックスをかける際にはビンディングは外すようにしましょう。
ワクシングペーパーはワックスを均一に塗るため、ソールを焼いてしまわないために必要
ホットワックスをかける際にワクシングペーパーをアイロンとソールの間に入れることでワックスを均一に広げることが出来るので効率よくワックス掛けることが出来ます。
またホットワックスをかけるとソールのクリーニングにもなりますが、ワクシングペーパーを使うことで滑走面であるソールについた汚れをペーパーがとってくれますし、ソールについている汚れの確認の目安にもなります。
ホットワックスをかける際にアイロンは高温になるので手際よくワックスをかけないとソールを焼いてしまうことになりかねません。
ワクシングペーパーを間に入れることでソールを焼いてしまうのはかなり防げます。
ソールを焼いてしまうとその部分の滑走面は滑走性能が死んでしまいワックスも染み込みにくく(全く染み込まなかったり)なってしまうので気を付けましょう。
ワクシングペーパーを使わない人もたまにいますが使うことによって得られるメリットの方が圧倒的に多いし、高いものでもないのでせっかくワックスをかけるならワクシングペーパーを使うことをおすすめします。
ホットワックスをかける際はノーズからテールへ一定の速度で
ホットワックスをかける際の方向ですが、ノーズからテールへ一定の速度で止まらないようにするのがポイントです。
止まってしまうとソールを焼いてしまう原因になってしまうので注意が必要。
気温が低い時用のワックスほど固く、溶けにくいのでアイロンを高温にしすぎたりアイロンを動かすのを忘れて一カ所だけ熱してしまわないようにしましょう。
エッジ際を特に念入りに
実際にスノーボードを滑っている人ならわかると思いますが滑っているときはだいたいどちらかのエッジに乗っていることが多いです。
超どフラットのソールど真ん中でしか滑らない!なんて人はいないはずですのでワックスはエッジ際から抜けていきます。
そして、ゲレンデにいる自分の姿を思い出して欲しいのです、立ち止まっているときのほとんどがヒール側のエッジで立っていませんか?
特に初心者の人に多いですがヒール側のエッジは見てわかるほどにワックスの抜けが早いです。そのことも頭に入れた上でエッジ際を念入りに、気持ちヒール側多めにホットワックスをかけてもいいでしょう。
ワックスをかけ終えたら板の熱が常温になるまで置いてから剥がす
ホットワックスをかけ終えたらスノーボードを常温になるまで置いておきましょう。
アイロンの熱でスノーボードが熱を持っています。
1晩寝かす派の人もいますがあまり効率的ではないので私はアイロンで温まった熱がとれたら剥がすようにしています。
ワックスをかける頻度の理想は?
ワックスをかけ始めると今度はワックスをかける頻度ってどれぐらいすればいいのか気になってくるかと思います。
理想はスノーボードを滑るためにワックスをかけるのがベストです。それが難しいようなら2~3回滑るたびにはかけたいところ。
少なくとも私がこれまで見てきたスノーボードが上手い人達は当たり前のように毎日ワックスをかけていました。
スノーボードを仕事としている私たちのようなスノーボードインストラクターやその他のゲレンデで働く人たちにとっては仕事道具なので仕事道具のメンテナンスをするのは当たり前かもしれませんが、そうでなくてもスノーボードを大切にメンテナンスできる人は成長するのは早しです。
まとめ
スノーボードのホットワックスについてご説明しました。
正しくメンテナンスしてあげることでスノーボードのベストパフォーマンスを引き出すことが出来ますし、スノーボード自体長く使うことが出来ます。
なによりもスノーボードに愛着がわき、ワックスをしっかりすることで自分がベストを尽くしてきたという自信がわきます。
スノーボードの上達のためにはゲレンデで滑るだけでなくメンテナンスからしっかりやりましょう。